ヴァイオラ・スポーリンの即興

 

Out of the Head!では「インプロの母」と呼ばれているアメリカの演劇指導者、ヴァイオラ・スポーリンの即興ワークショップを主催しています。

 

スポーリンの即興ではストーリーを創ろうとはしません。そのためインプロで用いられるイエスアンドのルールもありません

 

その即興は頭でひねりだすのではなく、まわりの空間と全身で関わることで場所が立ち上がり、シーンが自然と生まれてきます。一瞬一瞬を大切にしながらステージ空間に存在することで、物体や場所が、行動や言葉が、さらには関係性が自然と現てくるのです。

 

スポーリンのワークショップは様々な即興エクササイズ(シアターゲーム)で構成されています。簡単な五感のエクササイズから複雑で演劇的なものまで、ステップを踏みながら進んでいきます。

 

演技経験やインプロ経験の有無にかかわらず創造体験を楽しめる、それがスポーリンの即興です。

 

 

 俳優トレーニングとしてのスポーリンの目的

 

  「舞台上での取り組みや関わりを通して、舞台上で演じられない情報(直前に何をしたのかまたはこれから何をしようとしているのか等)を、直接言及することなく伝える表現力を養うこと」

 

 

 ●スポーリンの最終的な目標:

喜び、期待、自信、スキルを持って未知の世界に足を踏み入れること。

 

 

●そのルーツ

 

スポーリンは1930年代のシカゴで、移民の子供たちに演劇を教えるために数多くの即興エクササイズを考案しました。これは後年シアターゲームと呼ばれるようになりました。

 

また息子のポール・シルズはシアターゲームからインプロを生み出して「セカンドシティ」(即興劇団)を立ち上げ、アメリカのインプロの礎を築きました。今日スポーリンの即興は演劇や教育など幅広い分野で採り入れられています。

 

 

 ●スポーリンのメソッドを支持する主な演劇人

 

「私が受けた正式な演劇トレーニングは、スポーリンだけだ」(俳優アラン・アルダ)。

 

「『レインメーカー』の撮影では、「即興術」(スポーリンの本)のあらゆるエクササイズを使った」(映画監督フランシス・フォード・コッポラ)

 

 「生徒を教える時もプロの俳優と仕事をする時も、い

つもスポーリンを使っている」(演出家ダイアン・パウ

ルス)